今回はこのAFVクラブのT-34を製作してみます。これは10年位前に購入した時に間違えてクリアパーツの内部再現モデルを購入してしまったものです。内部のインテリア再現にはそんなに興味もなくて、これもどうしようかなーと思っていました。外側だけ普通に塗装して作ってみます。使用しないパーツがたくさん出そうで少々もったいない気もします。
キットに入っているベルト式の履帯、出来がそんなに悪くないのでちょっと前にタミヤのSU-85に使っちゃいました。それなので今回はミニアートから出ているワッフルタイプの履帯を使ってみます。値段も高くないので手軽に使えます。
転輪のゴム部分が別パーツになっており、あとではめ込む形式です。
前と後ろの転輪はゴムタイヤありで、真ん中は鋼製転輪でした。
(2019/10/15)
履帯のキットの箱を開けてみるとパーツが束ねてあり随分とコンパクトです。十分に足りんのかな?
このポチポチはめ込んでいく履帯はあまり組み立て易いという経験はありません。ボッチを穴にはめ込んでいくのが中途半端な強度で組み立て難い。結局は今回もピン部分をカッターで切り飛ばして普通の連結キャタピラと同様に組み立てました。つまりドラゴンのマジックトラックを組み立てる要領です。少なくともミリタリー系プラモデルに関しては凋落してしまったドラゴンモデルズには期待してもしょうがないけれど、マジトラはとても作り易い。
少し手間取りましたが何とか履帯を巻き終えました。やっぱりT-34系列の履帯は連結方式の方がさまになると思います。
私はスルーしてしまいましたがインテリアを作る場合は中身ぎっしりで時間もかなり要すると思います。
(2019/10/19)
この砲塔のクリアーパーツも汚さないできっちりと作るのはなかなか難しい作業だと思います。このまま中身も作ると博物館資料的なディスプレイになるんでしょうかねー。
車体後部にあるのは箱型の予備燃料タンクかな?こういう車両を作るのは初めてです。普通予備燃料タンクは丸いドラム缶を横に並べたのがロシア戦車のお約束かと思いました。
パッケージにはフルインテリアのT-34/76、5000セット限定!と書いてあります。でもその後にけっこうな頻度で再版しているようです。
後部のエンジングリル部分の金網状のメッシュは、エッチングパーツで再現されています。
今回のキットにはメタル砲身が入っていました。
(2019/10/21)
大きなクリアーパーツを多用したキットでもここまで真っ黒に塗装すれば諦めがつくというもんです。いつも通りのサーフェイサーを吹きました。
スタンダードなMr.カラーのC136、ロシアングリーンを使用しました。
今回のデカールは余白透明部分が多いのでタミヤのツヤ出しニスをシールを貼るところに塗って表面をツヤツヤにしてみました。どうなることやら。
ここ最近の1週間で急激に寒くなってきました。ちょっと前までまだ短パンでもぎりぎり寒く無かったです。でも窓を開けてのエアブラシ塗装はこのくらいの季節が快適ですね。
(2019/10/24)
T-34/76がようやく完成しました。中は作っていないのでそれほど難しくなかったです。
T-34はソ連軍の代表的戦車で、WWIIでロシア戦車の中では一番活躍したんじゃないでしょうか。ドイツ軍の戦車や対戦車砲では撃破するのが難しく、その後の戦車開発競争に拍車がかかりました。
独ソ戦開始でソ連内でも戦車の大量生産が始まり、各地の工場で一斉に作っていたようです。それぞれの工場で微妙に形が異なり、このキットは「183工場製」とのことです。なんとマニアックな分類・・・。有名どころではスターリングラードの「ジルジェンスキー・トラクター工場」なんてあったっけ。よくFPSゲームをプレイしていると戦場として舞台になっています。
エンジングリルなど曲げやすいエッチングパーツだったので車体に良くフィットしてくれました。
はい、ちなみに砲塔に描かれているスローガンは「チェリャビンスク集団農場員」です。つまり同農場員たちの献金で賄われた戦車という意味です。ロシア語の読み方はいまいちよく分かりませんが、おそらくチェリャビンスキィ・コルホーズニキィとか何とかだと思う。クルスク突出部のボロネジ方面、1943年2月のマーキングだそうです。ソ連戦車は赤い星などあまり描かないんですね、かっこ良いのに。さすがに遠くから目立つので良くないかな。
今回はミニアートの連結式履帯を使いました。やや組みにくいところありまして、それでも割とよい感じになったかと思います。
10年間使っていたエアテックスのコンプレッサー、APC-007BサイレントIIが壊れてしまいました。1年ほど前から調整弁が戻らなくなりエアーがすぐ抜けるので分解清掃組立を数回繰り返していたら、ある接続部分のネジ山が壊れました。他の箇所もけっこうガタが発生してました。
エアテックスに電話とメールで問い合わせたら数個の部品交換が必要だがすでに廃盤商品で部品も無いようでした。現行品との共通部品で対応可能なのかとか粘って聞いてみたけど無理らしい・・・。まじですか、長く愛用してたのに残念です。まぁ、いろいろ模型を完成させて楽しませてもらったからしょうがないね。コンプレッサーなんて30年以上持つのかと思ったら、接続部分数か所からエアー漏れだとちょっと対処が面倒です。はんだ付け、エポキシパテ、瞬間接着剤などいろいろと試してみましたが直りませんでした。
名残惜しいですがレギュレーター部分だけ取り外して破棄しました。あまり意味無いんだけど・・・、松本零士の漫画でメッサーシュミットのRevi照準器だけ大事に持っている青年の話を思い出しました。コンプレッサーをいろいろ調べると最近はずいぶん値段が下がって良さそうなものも多そうです。L5やL7も良いけどたぶんAPC-002Dを買うと思います。もうオイルコンプレッサーはメンテナンスが面倒だしこのくらいが使い易いかな。
(2019/10/26)
コメント
こんばんは。
今回はT-34/76(六角砲塔)ですか。
ブログにT-34/85は過去に2作載ってましたが、T-34/76の方は
初なので楽しみです。
内部が見えるクリアパーツが多いので塗装しても暗い部屋で明かりを当てたりすると提灯みたいになりそうな気がしますがどうなんでしょう(笑)
>内部のインテリア再現にはそんなに興味もなくて
私もそうですが、普通に外側だけ作りたい人も多いと思うので、
価格を下げたインテリア無しバージョンも製品化して欲しいところ
です。
そろそろ、タミヤでT-34シリーズのリメイクやって欲しい。
今回は部品が多いし車内は見ないのでガワだけ組み立てて塗装に入ろうと思います。T-34はタミヤを一つ持っています。カステンの履帯を合わせようと買ってあるんですがキットより高い可動キャタピラというのが妙な感じです。HPを始める結構前にドラゴンのT-34/76を組んだことがあります。あれは傑作キットでした。昔の値段でコンスタントにリリースしてほしいものです。
こんばんは。この砲塔は小さくてとても窮屈そうなんですよねー。金属砲身が付いているのでちょっと嬉しいです。クリアーパーツにはサフを吹きまくろうと思います。
>この砲塔は小さくてとても窮屈そうなんですよねー。
おはようございます。
ピロシキ砲塔と呼ばれる41年型と比べると、内部容積が増え、砲手(兼車長)と装填手それぞれにハッチが付き、かなり改善されてはますが、まだまだ発展途上といった感じですね。
「T-34/76(42年型)」はT-34の中でも、ドイツ軍に「T-34ショック」を与え、首都モスクワ防衛という祖国崩壊の危機を救い、世界の戦車の歴史を変えた「T-34/76(41年型)」や、ソ連軍の攻勢と勝利の象徴となった「T-34/85」に比べてインパクトが薄く、
また、ドイツ側がタイガー戦車や長砲身4号戦車など巻き返しを図った新型戦車を投入する時期とも重なり、T-34の優位性も失ってしまい、ちょっと不遇のイメージがありますが、
後のT-34/85で「T-34という一つの戦車」としてだけでなく、「戦車の歴史」で見ても一つの完成形になるまでに至る進化の過程として見て非常に面白いと思います。
>HPを始める結構前にドラゴンのT-34/76を組んだことがあります。あれは傑作キットでした。
>昔の値段でコンスタントにリリースしてほしいものです。
同意です。
あの時期のドラゴンはプレミアムとかスマートキットとかはまだですが、他にもパンターA型やキングタイガーなど良いキットを製品化してましたね
(個人的にはあれくらいの部品数で、キャタピラだけマジックトラックにしてくれるのが一番有難いです)。
近年のドラゴンは価格を大幅に上げたのに反し、マジックトラックを止めてしまったりと非常に残念です。
はい、BT快速戦車からの発展が面白いと思います。ソ連戦車は量産を考慮してかシンプルな形状が多いところが好きです。
そうなんですよね。今はどうか知りませんがブロンコのキットとかパーツが多いほど良い、みたいな細切れなのは結構大変です。ドラゴンも一時期そうでしたね。スマートキット以前のパンターやキングタイガーは履帯を一つずつ切り離すのが手間でしたが作り易かったです。デカールはそれなりに上質なものが入っていた気がしました。全体的にキットの価格は上昇傾向、パーツ数も増大しています。最近の高めの価格設定にもマヒしてきている自分が怖いです。
もうすぐ完成ですね楽しみにしております。
今回のキットは内部インテリアを組み込み外部装甲の大半を透明に
して内部構造を楽しめる様になっていたようですね。
細密桃源郷さんはそれを思い切り良く諦めて通常キットとしての完成を
目指す事にしたようですね。
ただ一つ疑問に思ったのはインジェクションキットなのに
黒のサーフェーサーを吹いている事です。
サーフェーサーは元々ガレージキットなど劣悪な表面を整え
塗料ののりを良くする目的で使われる物です。
ガンプラの広がりの始めにガレージキット作者がそれまでの
製作過程を踏襲して製作記事を公開した結果、必要の無い
サーフェーサー使用が普及していったと思われます。
但しサーフェーサーを目的を持って使用する場合は問題ありません。
特に貴方のT34/76の場合本来のクリアー部分は鋳造肌の再現は
行われていないでしょうからサーフェーサーで再現する必要が
あったと思われます。
こんばんは。サーフェイサーの使い方に関してのアドバイス、今後の製作の参考にしてみます。
>最近の高めの価格設定にもマヒしてきている自分が怖いです。
同意です(笑)。まあ、価格の衝撃には慣れても流石に購入のペースは下がりましたが。
ただ、考え方にもよるかもしれませんが、MENG等は連結キャタピラ標準装備なので、タミヤのキットでもキャタピラを別に揃えると「本体(4000~5000円)+連結キャタピラ(2000~4000円)」くらいになると考えると妥当な価格なのかもしれません。
或いはドラゴンが4000円前後でプレミアムやスマートキットを続々製品化したり、タミヤでもJS-2やヤークトタイガー等、2種類のキャタピラとエッチングを標準装備していた2000年代後半くらいが異常な模型バブルだったのかも。
確かにおっしゃる通りですね。最近のキットはランナーの枚数や部品数が多いので金型も多いのでしょう。海外の人件費が上昇傾向なのとミリタリー系に関してはモデラー数が減っているかもしれません。今後さらに価格が高騰するかもしれないので自分のストックもスペースが許すなら大事にしようかと思う今日この頃です。昔のドラゴンはある意味ダンピングみたいなものでしょうか。他のメーカーは往復ビンタくらいの衝撃があったと思われますが最近では業界全体で価格を上げてきてるのが悲しいところです。1ケ月に作れる作業数はたかが知れているのでそのとき好きなものを作っていきたいものです。
おはようございます、完成おめでとうございます。
クリアパーツである事を全く感じさせないです!
>スタンダードなMr.カラーのC136、ロシアングリーンを使用しました。
塗装ではホワイト辺りを混ぜていくらか薄められたんでしょうか?
>T-34はソ連軍の代表的戦車で、WWIIでロシア戦車の中では一番活躍したんじゃないでしょうか。
独ソ戦開戦から終戦までT-34メインで乗り切りましたからね。BT戦車の後継を決める際には、一回り小型で装輪走行も可能なA-20
トーションバー・サスペンションや箱型車体と言った戦後MBTっぽい要素を持つ先進的なⅢ号戦車が早い段階で限界に来たのに対して、Ⅳ号戦車やM4シャーマンもそうですが、T-34も含めサスぺンションとかが少し古い設計の戦車が最後まで活躍したのは面白いところです。
>このキットは「183工場製」とのことです。
T-34の生産では最多を誇る工場なので、まさに「スタンダードなT-34」ですね。
同工場は戦中にハリコフからニジニ・タギルに大疎開して今もT-90やT-14と言った最新戦車を生産し続けているそうです。
>有名どころではスターリングラードの「ジルジェンスキー・トラクター工場」なんてあったっけ。
ソ連初期のボリシェビキ幹部フェリックス・ジェルジンスキーに因んだ名称でしょうか。こちらの工場はスターリングラード攻防戦まで操業してたそうです。
上記の「183工場」もそうですが、工場にもドラマが有りますね!
読み直したら、二行目を消し忘れて中途半端なところで送信してしまいました。
BT戦車の後継を決める際には、一回り小型で装輪走行も可能なA-20も候補だったそうなので、そっちを選択してたら早々に陳腐化して色々大変だったかも知れません。
>ソ連戦車は赤い星などあまり描かないんですね、かっこ良いのに。
>さすがに遠くから目立つので良くないかな。
ベルリン攻防戦やケーニヒスベルクのJS-2やJSU-152の赤星マーキング車両は有名ですが、その手のマーキングは少なかったのは知りませんでした。
勝ち戦で余裕が出て来たのか、宣伝の撮影も意識してたのかな。
スローガンも今作の様なステンシルで描かれたと思われる綺麗な文字のものと、汚い手書きのものが有りますね。
>転輪が鋼鉄製とゴムタイヤの混在なのが面白い。
混在の場合、キャタピラのテンションが加わる第一・第五転輪にゴム転輪を配置するのが衝撃緩和や摩耗軽減とかで色々良いみたいです。
パンターの転輪で代用したT-34/85を調べたサイトがありました。
https://hnnh3.exblog.jp/25574230/
好きな戦車でもあるので長文のコメントを連投してしまいました。
>10年間使っていたエアテックスのコンプレッサー、APC-007BサイレントIIが壊れてしまいました。
>名残惜しいですがレギュレーター部分だけ取り外して破棄しました。
10年間と言うと、このブログの作品では「パンターGスチール・ホイール」くらいからの使用でしょうかね?
細密桃源郷さんの数々の作品制作を支えたコンプレッサーにもブログのファンの一人として「お疲れさまでした」という気持ちです!
こんばんは。コメンとありがとうございます。塗装は特に調整していません。ブラックサーフェイサーとホワイトサーフェイサーを下地に吹いてあるのが影響してるのでしょう。あとは多少ウォッシングで白っぽくなった部分があると思います。
T-34はコイルスプリングを用いたクリスティー式でしたっけ?中身はちゃんと作らなかったんですけど、ちゃんと再現したパーツが揃っていました。大型の転輪にはクリスティー式のほうが適していると何かの本で読んだ記憶があります。戦車メカニズム図鑑だったかな?
凄いサイトですね。パンターとT-34の転輪、直径がほとんど同じなんですか。しかも実物写真が載っている!面白い検証記事です。
エアテックスのAPC-002Dがもう届いちゃいました。まだ箱から開けてませんけど・・・。いま、ついでのフィギュアでソ連歩兵を作っているんですけど新品のエアブラシで初期不良があるとまずいので早く試し吹きした方が良さそうです。ではでは。
こんばんは、回答ありがとうございます。
よく模型紙とかで「スケールエフェクトを考慮して」とか言われてるので気になってましたが、
今回のT-34/76は色は調整せずに塗られたんですね。
>大型の転輪にはクリスティー式のほうが適していると何かの本で読んだ記憶があります。
確かに大型転輪でトーションバーなのって千鳥の大戦ドイツ戦車を除けばT-54/55、T-62くらいな気がします。
T-90のジャンプ映像なんか見てると着地の時に結構沈むので、大型転輪だとフェンダーに接触するのかも。
スケールエフェクトを考慮して、というのは少し明るめに塗るということですよね。あとでウォッシングで暗くなるのを考慮する場合もあるのでしょう。色調には悩むこともありますがそこがまた面白い部分です。