今回、ドラゴンのシャーマン戦車を製作してみます。
シャーマン中戦車と言えば、以前、「ザ・フューリー 烈火の戦場」という映画をブラピの「フューリー」と勘違いして観てしまいました。観終るまでブラピとシャーマンが出てくるものだと信じて、90分間観終わったときの無力感ときたら…。M18ヘルキャットとIII号戦車の戦い?しかも終戦間際?この局地遭遇戦はたぶん前菜なので、メインディッシュはあとで出てくるんだろうと思っていたら何のことはない、観る映画をはじめから間違えていた。
ただ、原題は「Saints and Soldiers: The Void」でフューリーとはどこにも書いていない。日本語タイトルの付け方が故意に日本の消費者の錯誤を狙ったもののようで詐欺まがい商法の悪意を感じました。内容は普通です。ユニフォームや小道具、ストーリーは及第点だけど戦闘シーンは全然ダメ。それに米独どちらも戦車がピカピカ過ぎるでしょ。自分の馬鹿さ加減に笑えました。シャーマンを作るときにテンションを上げようと楽しみにしてたのになぁ。再度、書いておきますが製作者には悪意も問題もない。あのタイミングで邦題を考えた日本国内の配給元・代理店の罪は重いと思う。製作者に失礼だよ。
以上愚痴になりましたが、シャーマンは部品が多いなかでちょろちょろと進んでいます。
このシャーマンの考証はちょっとよくわかりませんが、パーツはモールドがシャープなので好きですね。
ベルト式のキャタピラを巻く前に念のため確認しているところ。最後尾の転輪で多少はキャタピラの張り具合を調整できます。
保管状態が悪かったのか、あるいは出荷時点からクセが付いていたのかは積んでいる時間が長すぎて今では判別できませんが、ドラゴンスチレンのベルトキャタピラのサイドの出っ張りが捻じれてしまっています。
(2016/06/27)
簡単には直りそうもないので、見えない部分の正常なものをカッターで切り取って移植しました。不自然に曲がったままよりは随分と見た目は良いと思います。
全体的に重量感が出るように所々接着して垂れ下がる感じにしました。
ライトガードなどはエッチングパーツで極薄で表現できます。
(2016/07/18)
砲塔の組み立て中です。防盾はこのままでも精密な出来、さらに増加装甲を追加します。砲身が上下稼働するので接着箇所に注意して固まらないように気を付けます。
砲塔後ろには荷物を括り付けるのでしょうか。ベルト3本のエッチングパーツを取り付けました。
(2016/07/25)
一部、リベットか何か後部装甲にエッチングパーツで付いています。テールライトもクリアーパーツ。
側面はのっぺりしています。象のデカールを貼る予定なので見やすくてちょうど良いかな。
M4A2はディーゼルエンジンなのでアメリカ軍ではあまり採用されず、ソ連やイギリスに供与されました。ただし海兵隊では使用されたようです。海軍でよく軽油を使う関係でしょう。
組立はほぼ完了したので次は塗装です。
(2016/07/30)
水で濡らして下地の黒を出しているところなのですが、あまり剥がれてくれません。ちょっとアクリルを乾燥させ過ぎたかヘアスプレーが少なかったのかな。
クリアーを吹いた上からデカールを貼りました。もう少しで完成です。
(2016/08/01)
シャーマン中戦車、一応完成しました。
以前、「フューリー」と「なんちゃってフューリー」を間違えて以来、ようやく本物を観ました。最後の戦闘でのスーサイド・ミッションっぽいところや、射撃シーンの曳光弾なのかSF映画のレーザービームみたいなのはどうかと思った。ティーガーIが妙にリアルに見えたり、戦車内部や軍装はカッコ良い。自分の模型はまだまだ綺麗過ぎるなぁ。米軍戦車兵が妙に厭戦的ですさんでいるのは演出のうちなのか、もう少しユーモアというかウィットのあるセリフが欲しかったですね。全体的には面白かったです。
武装は75㎜砲搭載タイプです。76㎜砲だと砲身ももう少し長くて強そうに見えます。1㎜違うだけでそんなに違うのかな。口径長が長いと威力が段違いに上がるとは聞いたことがあるけど。
M4A2はディーゼルエンジン搭載で、主にイギリスとソビエトにレンドリース供与されました。
錆の具合がなんかわざとらしいかなぁ。ペンキを塗ったみたいになってしまった…。もう少しいろいろやってみるべきだった。ただ、戦場の島はかなり湿気は多かったと思うので車両は錆び易いでしょう。
ウェザリングは南太平洋の島々での戦いということで、イメージですが若干赤土っぽい雰囲気にしてみました。
ベルトキャタピラ、ドラゴンのキットの場合ドラゴンスチレンと言うのかな?キャタピラの質感はベルトの割に結構良いんじゃないかと思います。
ウェザリングをやり過ぎたのでヘアスプレー技法の塗膜剥がしがあまり分からなくなってしまいました。
米軍の戦車はヨーロッパ戦線ではドイツ軍の高性能戦車に苦しめられていました。ただし、対帝国陸軍相手ではシャーマン戦車は敵無しというくらい圧倒的な強さでした。日本の戦車の性能はあまり良くなかった。
今回は工作がうまくいって、砲身も上下可動するし砲塔も回りました。時々接着剤が思わぬところに流れておかしな事になってしまいます。
このキットはライトガードが薄いエッチングで大変良かった。この微妙なカーブの薄い部品を何とか自作できるようになると良いのですが…。プラ板なら丁寧に作業すれば出来るかな。
帝国陸軍は吸着地雷などによる肉薄攻撃をしたので、アメリカ軍の戦車はそれらを防ぐために側面に木の板を貼り付けているものもありました。ドイツ軍のツィンメリットコーティングと同じ効果を狙ったのでしょう。手持ちの資料の中にはハリネズミのように金属の棒を取り付けて日本兵がよじ登れないようにした車両もありました。
日本軍の戦車に対する肉薄攻撃はすごかったと思います。迫力とか犠牲者数とかいろいろな意味でです。
歩兵の対戦車肉弾戦だと檜山良昭氏の架空戦記小説「日本本土決戦」が思い出されます。沖縄占領後もずっと戦争が継続され決号作戦を実行。九州南部と神奈川県の湘南海岸・千葉県の九十九里浜に上陸されてしまいます。ソ連には北海道を占領されて東北にも上陸されるという、とにかくメタメタにやられても本土防衛継続という悲しいストーリーですが内容は非常に興味深いです。一読の価値あり。
このあいだ製作した迷彩服のアメリカ軍歩兵は太平洋戦線のアメリカ兵にもマッチする感じ。
錆びのウェザリングはもうちょい何とかなったかなーと思いつつも足回りは結構満足しています。マーキングも面白いし。シャーマン戦車自体を作るのも久しぶりだったので楽しかったです。
(2016/08/03)